前前前回初級編、前前回中級編、前回上級編に続き、まさかの超級編です。
みなさんお忙しいと思いますので、道内主要都市*1の人口の波(5時点5歳階級同じ年生まれ重ね)を僕の方でご用意しました。
これらのグラフからいくつかの傾向をつかんでみたいと思います。
今回使用するデータ
データ | データがあるところ |
1975年、1985年、1995年、2005年、2015年の道内主要都市の国勢調査5歳階級人口 |
人口を減らしていないまち
まずは人口を減らしていないまちです。
※人口の波(同じ年生まれ重ね)のグラフは、横軸が「現在の年齢」、縦軸が「その現在の年齢の同い年の人たちがそれぞれの年代で何人いたか」を示しています。
札幌市|人口195万2千人(2015年)
人口を減らすどころか増やして、しかも若返りを見せてます。さすがです。
30年前〜20年前、40年前〜30年前を見ると、若者(20歳〜25歳前後)が大量に札幌市に流れてきていることがわかります。
苫小牧市|人口17万3千人 (2015年)
苫小牧市もじわじわと人口を伸ばしています。人口構成もほとんど変わっていません。
帯広市|人口16万9千人(2015年)
帯広市も安定して同じ人口構成を維持しています。
北見市|人口12万1千人(2015年)
北見市も安定して同じ人口構成を維持しています。
千歳市|人口9万6千人(2015年)
千歳市はなんといっても団塊世代よりも団塊ジュニアの世代の方が人口が多いのがすごいですね。
どの年代も10代から20代になるとぐんと人口が増えてます。自衛隊をはじめとして多くの人が千歳市に働きにきているということだと思います。
就職のタイミングで同い年人口を減らしているまち
就職のタイミングで同い年の人口を減らしているまちです。人口が減少しているまちの平均的なモデルかもしれません。
紹介する5市はどこも大体同じような動きをしています。
- 団塊の世代はこの40年ずっと同じメンツ(=就職後は安定)。
- 高校、大学卒業のタイミングで同い年の人口を減らしている(=就職でまちを去っている)。
- 団塊ジュニアの世代は前後世代よりも人口が多いので、目立って同い年人口を減らしている。
旭川市|人口34万人(2015年)
函館市|人口26万6千人(2015年)
小樽市|人口12万2千人(2015年)
登別市|人口5万人(2015年)
伊達市|人口3万5千人(2015年)
伊達市だけは団塊ジュニアの世代にちょっとおもしろい動きがあります。
10代から20代にかけて人口を落とすのはほかのまちと同じなのですが、その後30代になるときに人口を増やしているのです。
となりのまちのことなのですが事情がよくわかりません。室蘭市で働いている人が結婚を機に伊達市に移住してるとかですかね。
全体的に人口を減らしているまち
全体的に人口を減らしている2市です。
釧路市|人口23万7千人(2015年)
じわじわとどの世代も均等に人口が減ってきてますね。
「釧路市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を読むと、人口減少の産業的な原因は、1977年の200カイリ漁業専管水域施行と2002年の太平洋炭礦の閉山が主だと書いています。
釧路市まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定について|北海道釧路市ホームページ
室蘭市|人口8万9千人(2015年)
我らが室蘭市です。こうしてほかのまちと比較してみると人口の減らしっぷりがすごいですね。
大学生のまち
一つだけ特殊な動きをしているまちがありました。
江別市|12万1千人(2015年)
江別市には4つも大学があるので、どの年代でも20歳前後の時だけ一時的に人口を増やしていますが、しかし働き口の数は決まっているので、これらの大学生の多くは就職時には江別を去っていっていることがグラフから読み取れます。
まとめ
同じ北海道のまちでも人口の特徴だけでいくつかに分類できることがわかりました。
北海道の全179市町村で比べてみたらおもしろいと思うのですが、さすがに僕もそこまで暇ではありません。